パソコンや携帯電話の普及にともなって、眼疲労を訴える人はますます増えるばかり。眼疲労から、頭痛や肩こりにまで症状が広がることも。この辛い悩みに効果を発揮するのが、カシスアントシアニンです。
眼のコリをほぐし、一時的な近視状態を抑制
パソコンを長時間使い続けると、無意識のうちにモニターなどの近いところを凝視し続けることになります。そのため、毛様体筋の緊張状態が続き、コリが生じます。このコリがひどくなると、一時的な近視状態になり、眼疲労を起こすのです。パソコン作業を2時間行った後でカシスアントシアニンを摂取した試験では、摂取しない場合に比べ、一時的な近視化が抑制されることが確認されました。これは、カシスアントシアニンがコリ状態にある毛様体筋をほぐすためと考えられます。
自然視(遠方を見ている)の状態
近点作業(近くを見ている)の状態
カシス摂取による一時的な近視化の抑制効果
*屈折値:人間の眼に入ってくる光の屈折の度数。0を正常値としてプラスが遠視、マイナスが近視となります。
実感できる眼疲労の軽減
カシスアントシアニンを摂取することにより、パソコン作業後に自覚する疲労が軽減されることがわかりました。特に目や腰では摂取していない場合に比べ、明らかに疲労の軽減が認められました。これは、カシスアントシアニンが末梢血流を活発にし、筋肉のコリをほぐすためと考えられます。
*VAS(Visual analogue scale):疲労度や痛みの測定法。最大の疲労度(痛み)を10、疲労度(痛み)なしを0として、10cmの直線上で被験者に印をつけてもらい、記録するものです。ひとりの被験者の負荷前後の疲労度(痛み)の程度や推移をよく反映しています。
ブルーベリーに勝るカシスのパワー
ブルーベリーには、カシスのような一時的近視化の抑制効果は確認されていません。アントシアニンは植物によってその組成や性質が異なります。つまり、カシスアントシアニンにだけ含まれている特有の成分が、近視化を抑制し、眼疲労を改善すると考えられています。
一時的な近視化の抑制におけるカシスとブルーベリーの比較
[新薬と臨牀, 56, 70-78(2007)]