- 高橋敦彦医学博士
- 聖路加国際病院を経て、駿河台日本大学病院より日本大学医学部総合健診センター医長
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- 研究テーマに「生活習慣病」「食と健康管理」など。
- 日本内科学会認定内科専門医、日本総合健診医学会専門医・同評議員ほか。
- 著書に「生活習慣病と食事療法‐予防から治療まで(共著)」(新興医学出版社)、「一目でわかる内科学(翻訳)」(メディカル・サイエンス・インターナショナル)、「総合健診ハンドブック(共著)」(中外医薬社)など。
自然そのままの美味しさ
マルカイコーポレーションでは、会長の名前から取った「順造選シリーズ」で、いろいろな種類のジュースを出されていますね。これらジュースの原材料は、会長自らが厳選されたものばかりなのでしょうか?
そうです。「順造選」という文字通り、私(順造)自らの足で探し当てた原材料を使っています。
たとえば、この人参ジュース。ニュージーランドに行ったとき、現地の人参を食べてみたら、とても甘かったんです。なんでこんなに甘いのだろうと、ある農家の人に尋ねたら、「ニュージーランド特有の空気の乾燥と太陽の日射によるものだよ」と言っていました。
そこで、国産人参とニュージーランド産人参を約半分ずつ合わせて、日本人の、つまり私の舌にあった味に作り上げたのです。この甘さは、ニュージーランドの太陽がくれた自然の甘みなのです。砂糖は入っていませんよ。
本当に甘くて美味しいですね!
自宅のジューサーでは、まずこの味は出せないでしょうね。人参にはカロテンが入っていますから、抗酸化作用が期待できますし、なおかつ味も楽しめるということですね。ビタミン剤をはじめとしたサプリメントは、結局、味を楽しむと言うわけにはいきませんから……。ジュースなら長く続けられるのかもしれませんね。
それに一つでなく、いろいろな栄養成分もいっしょに摂れますし、いいですね。いや~、本当に美味しいです!
改善したい、生活習慣!
今年4月から特定健診、特定保健指導が始まりました。いま、メタボリックシンドロームという、生活習慣病予防の面からとても注目されている言葉がありますが、ご存知ですか。
「メタボ」ですね。知っていますよ!
ややもすると、注目はウエスト回りや肥満だけにいってしまいがちですが、もとはと言えば、食べすぎ、飲みすぎ、運動不足など、生活習慣の狂いを診るための指標です。農耕民族の日本人は、遺伝的に「飽食」という生活習慣には弱いと言われていて、食べすぎるとテキメンに太ります。
そうなんですか、「メタボ」は大流行ですね。
この前、ある会合に出たら、コンサルタントの人が「メタボ」をテーマにした食品開発の話をしていましたね。ところで、「メタボ」が治る薬はないのですか?
生活習慣からのアプローチが重要で、食事と運動で是正していくことが一番ですね。
食事のバランスを考えながら食べる量を減らして、運動量を増やさないと、根本的な治療は無理です。薬だけに頼るということはできません。
よく抗酸化作用がある食べ物は、カラダにいいとか、生活習慣病の予防にいいとか言いますよね。
カラダのなかの酸化を防ぐとは、どういうことなのですか?
人間のカラダは、年とともに、あるいは時間とともに、ふつうに酸化を起こしていってしまうんです。
とくに、コレステロールが「サビる」ようなことがあると、劣悪な脂に変身して、それが動脈硬化の発症や進展の原因になったりします。抗酸化作用をもつ食べ物には、植物ポリフェノールがありますね。
美味しいジュースはカラダも喜ぶ!
クランベリージュース、カシスジュースなどには豊富なポリフェノールが含まれていると、高橋先生に監修いただいている順造選スペシャルサイトで紹介いただいていますね。
その通りです。カラダにいいと語るには、エビデンスと言われる科学的実証があるかどうかが大切になってきます。そこで、あのページではさまざまなエビデンスを紹介しています。
もともと「順造選」は、カラダにいいからといって作ったジュースではないんですよ。
美味しいジュースを作りたかっただけなんですが、たまたま飲まれた方がそういった話をお手紙で送ってくださることが多いんです。
ジュースは、薬と同じような効果を期待するものではありません。
ただ、順造選のジュースのように、成分そのものが損なわれないように丁寧に作られているのは大切なことです。
そしてもうひとつ、大切なことがあります。
順造選のジュースには、たくさんの種類がありますから、ひとつのものをずっというよりも、いろんなものを、味を楽しみながら摂ることができます。もっと楽しみながら、カラダにいいことを考えていきたいものです。
そのなかで得られた素直な感想とうれしい体験が、お手紙として寄せられたのではないでしょうか。
健康ジュースのトータルな魅力!
毎日、コンビニでお弁当を買って食べている人も多いですね。トクホのマークが付いている商品も増えてきましたが、あのマークにはどんな意味があるのですか?
特定保健用食品のことですね。その食品を用いて人に対して臨床実験を行い、研究データが出ているものに対して、厚生労働省がお墨付きとして与えているものです。
トクホについては、その特定の病態に近い人を対象として効果を認めているのですが、薬ではありませんし、そればかりを摂りつづけるにも根気が必要です。
美味しいのがいいですよね。原材料がまずかったらダメですね。
食べる、飲むという本来の食生活を考えると、やはり食品そのものの美味しさは大切です。Pureな化学合成物質とは違う、食品成分トータルな魅力というものがあるのは事実です。
ありとあらゆるもの、いわゆるヒトケミカルと言われているような植物性のさまざまな微量物質が含まれていることが、自然食品の面白いところです。
ポリフェノールにしても複数のものが入っていますし、それも複合的に入っているので、どれがどれに対して効くのかというよりも、自然の形トータルで効いていると考えるといいと思います。なかでも、ジュースは、自然の形そのままを手軽に摂れるものだと思いますね。
※対談は2008年当時のものです。